会議を途中で抜ける方法|終わらない話から失礼なく抜け出すコツ
終わらない会議はあなたのせいではなく、誰にでも起きる調整の失敗です。会議を上手に途中で抜ける方法、長引く会話の切り上げ方、言葉が通じないときの最後の手段を紹介します。
B執筆:Baptiste Garcia
このページの内容
結論
会議を失礼なく途中で抜けるコツは、前もって伝えておくことです。主催者に終了時間があることを事前に伝え、同僚にメモを頼み、会議の途中でもう一度抜ける時間を伝えます。そして、話題が切り替わる自然なタイミングで、短くお礼を言って、長い説明はせずに退出しましょう。会話が自分の望むタイミングで終わることはめったにありません。つまりこれは調整の問題で、あなた個人の欠点ではないのです。その場で逃げ出すより、カレンダーを先回りして守るほうが効果的です。そして、言葉ではどうにもならないときは、さりげないフェイク着信が、すぐにその場を離れるためのすっきりした理由になります。ふと時計を見ると、議題は15分前に「終わった」はずなのに、誰かが同じ話を3周目しているのを、うなずきながら聞いている。本当の締め切りが待っているのに、席を立つのは失礼な気がして、結局残ってしまう。そんな場面に思わず苦笑いしてしまったなら、いい知らせがあります。それはあなたの意志が弱いせいではありません。会話をすっきり終わらせることは、人間にとっていちばん難しい、ちょっとした調整の問題のひとつなのです。そして、それを裏づけるデータもあります。
なぜ会話は自分の望むタイミングで終わらないのか?
2021年、ハーバード大学が中心となった研究チームが、900件以上の会話を分析した研究をPNASに発表しました。結果は、笑ってしまうほど厳しいものです。両方が望んだタイミングでぴったり終わった会話は、わずか約2%でした。人は相手がいつ話を終えたいかをいつも読み違え、その差はしばしば大きく、たいていは少なくとも一方が、相手よりずっと早く抜けたいと心の中で思っていたのです。
研究を率いたAdam Mastroianni氏は、このわなをうまく説明しています。誰かとの話を突然やめて立ち去らないのは、それが優しくないからだ、と。つまり、礼儀正しさこそが私たちを引き止めているのです。しかも、その代償は気まずさだけではありません。非生産的な会議は、アメリカだけで年間約240億時間を無駄にしていると推定されています。だからこそ、あらかじめ組み込んだ終了時間は、たとえフェイク着信によるものでも、後ろめたい裏技ではなく、本物の生産性向上の道具になりうるのです。
この考え方の転換は大切です。会議が長引くと、私たちはつい、自分がせっかちだから、うまいタイミングを見つけられないからだと自分を責めてしまいます。でも研究によれば、うまいタイミングはそもそもほとんど存在しません。お互いの気持ちがそろっていないからです。それがわかれば、統計的にまず訪れない「きれいな区切り」を待つのをやめて、意図的に抜け方を設計できるようになります。
失礼にならずに会議を途中で抜けるには?
いちばん効果的なテクニックは、いちばん地味なものでもあります。それは前もって伝えておくことです。突然の退出は唐突に感じられますが、予告した退出はプロらしく見えます。具体的な手順を紹介します。
- 主催者に事前に伝える。会議の前に短いメッセージを送るだけで十分です。「本日は14時半から別件があるため、途中で失礼させていただきます。あらかじめご了承ください」。これで退出は事前に了承済みになり、誰も不意を突かれません。
- 同僚にメモを頼む。抜けたあとに大事なことが決まっても、これで安心です。会議を軽く見ていないという姿勢も伝わるので、退出の印象もやわらぎます。
- 途中でもう一度、抜ける時間を伝える。「念のため、14時半になりましたら失礼させていただきます」と軽く言えば、周りが思い出してくれますし、話をまとめるきっかけになることもよくあります。
- 話題が切り替わるタイミングで抜ける。いちばんすっきり抜けられるのは、会話が次の話題に移る瞬間です。全員にお礼を言い、自分が担当するタスクを確認して、長い説明はせずに退出しましょう。説明しすぎると後ろめたそうに見えますが、自信をもって手短に抜ければ、予定の詰まった人に見えます。
Harvard Business Reviewの会議の終わらせ方についての記事も、同じことを指摘しています。会議の締めくくりは、成り行きまかせではなく意図的にするべきだ、と。会議(またはその中での自分の役割)がうまく終わるのは、誰かが、何が決まったか、誰が何を担当するか、次に何をするかを言葉にしたときです。退出するときに10秒あれば自分でそれができますし、黙ってこっそり抜けるよりずっといい印象を残せます。
行き詰まった会話から抜けるには、何と言えばいい?
問題が予定された会議ではなく、もう話すことがなくなった会話のこともあります。何度でも復活する廊下での立ち話、離してくれない交流会の相手、あなたの席の横を演説の舞台にする同僚。そんなときは、角を立てずに話を締めくくれる、あたたかいひと言が必要です。
サンドイッチしてお礼を言う「SAT法」
セラピストが広めたテクニックのSAT法(Sandwich-and-Thank)は、まさにこんな場面のためのものです。退出のひと言を、2つのあたたかい言葉ではさみます。
- はさむ:まずは話題や相手について、心からほめる言葉から始めます。「今日はいろいろ話せて、本当によかったです」。
- つなぐ:「でも」のような逆接ではなく、「それで」のような順接でつなぎます。突き放すのではなく、話を足していく感じが出ます。「それで、このあと次の予定があって」。
- お礼を言う:最後は感謝で締めくくります。「話を聞いてくれてありがとうございました。またぜひ続きを話しましょう」。
この方法のいいところは、相手が話を切られたと感じるのではなく、大切にされたと感じながら会話を終えられることです。話を切り上げようとしていることをさりげなく伝えるしぐさと組み合わせましょう。ドアのほうに少し体を向ける、荷物をまとめる、半歩下がる、といった動きです。The Museが紹介しているような決まり文句も使えます。たとえば「ずっと独り占めしちゃ悪いので。ほかにも話したい方がいますよね」や「お仕事に戻ってくださいね」などです。会話が本当に居心地の悪い方向に進んでしまったら、気まずい場面から抜け出す方法のガイドで、あたたかさだけでは足りないときの、よりはっきりした抜け方を紹介しています。
オンライン会議を途中で抜けるには?
ビデオ会議は、ある意味ではラクです。席を立つところを誰にも見られないからです。でも別の意味では難しくもあります。黙って抜けると、接続が切れたように見えたり、もっと悪ければ、怒って出ていったように見えたりするからです。対策は、退出をはっきり、そして大ごとにせずに伝えることです。
- 最初に終了時間を伝える。「始める前にひと言だけ。私は〇時半に失礼させていただきます」。最初に言っておけば、それは話をさえぎることではなく、ただの段取りです。
- 抜けるときにチャットにひと言書く。「次の打ち合わせがあるので、ここで失礼します。ありがとうございました。議事録はあとで確認します」と短く書けば、ミュートを解除して話している人の流れを止めずに抜けられます。
- 非同期での共有をお願いする。残る理由が何かの決定を聞くためだけなら、文書での要約や録画をお願いしましょう。「決まったことをスレッドに書いておいてもらえますか?そちらでフォローします」。後半はそもそも参加しなくてよかったとわかることもよくあります。
原則は対面と同じです。予告して手短に抜けるほうが、黙って抜けるより必ずいい。人は沈黙をストーリーで埋めようとしますが、あなたが突然いなくなった理由として想像されるストーリーは、たいてい好意的なものではありません。
そもそも会議が長引かないようにするには?
いちばんの抜け方は、抜ける必要がそもそもないことです。カレンダーを少し守るだけで、ほとんどのマラソン会議は始まる前に防げます。
- 終了時間を組み込む。会議の直後に、別の打ち合わせ、作業時間、定期的な「集中タイム」などの予定を入れておきましょう。これで終了時間はでっち上げではなく本物になり、正直にそれを伝えられます。
- カレンダーを先回りしてブロックする。空いているカレンダーは埋められてしまいます。いちばん生産的な時間帯を確保して、メールで済んだはずの会議に使われないようにしましょう。
- 必要のない会議は断る。「私がいなくても大丈夫だと思うので、議事録だけ共有してもらえますか?」。これだけで、十分にプロらしい返事です。価値の低い会議を断るのはひとつのスキルです。上の、罪悪感なく断る方法についての動画は、いい入門になります。
- アジェンダと終了時刻を求める。アジェンダが文書になっていて、終わりの時刻がはっきりしている会議は、ずっと脱線しにくくなります。どちらも、面倒な人だと思われずにお願いできることです。
仕事を早めに切り上げるための、いい口実は?
会議だけでなく、会社そのものから早く帰りたいこともありますよね。いちばん信じてもらいやすいのは、具体的で、時間が決まっていて、詮索しないかぎり疑いようのない理由です。
- 病院や歯医者の予約。よくある用事で、時間が決まっていて、誰も反対しません。「16時に予約があるので、15時半に出ます」。
- 家族の用事。保育園のお迎え、家族の通院の付き添い、受け取りにサインが必要な荷物などは、どれもありふれていて説明いらずです。
- 家の用事。修理業者の立ち会い、水道のトラブル、鍵をなくして家に入れない同居人などは、信じてもらいやすく、明らかに急ぎの用件です。
理由と同じくらい、伝え方も大切です。上司には早めに伝えましょう。おうかがいを立てるより、「〇時に失礼します」と予定として伝えるほうがすっきりします。そして、急ぎの仕事は先に片づけるか、誰かに引き継ぐと申し出ます。場面別のすぐに使えるフレーズは、仕事を早退するための言い訳のガイドで一つひとつ紹介しています。突っ込まれても大丈夫な選択肢をランキング形式でもっと知りたいなら、帰る口実のまとめで詳しく解説しています。また、無料の言い訳ジェネレーターを使えば、状況にぴったりのもっともらしいひと言が数秒で見つかります。
最後の手段としてフェイク着信を使うのはどんなとき?
ときには、礼儀正しい方法がうまくいかないこともあります。予告した終了時間をすべて過ぎても会議は続き、話の止まらない人がSAT法での締めくくりを押し流し、本当に別の場所に行かなければならない。フェイク着信が役に立つのは、こんなときです。最初の一手としてではなく、言葉が尽きたときの、すっきりした最後の手段として使いましょう。
フェイク着信とは、自分のスマホをリアルな着信で鳴らすアプリのことです。電話回線を通る通話は一切なく、本当に誰かが電話をかけているわけでもありません。自分の端末の中だけで再現される着信で、発信者番号の偽装でも詐欺でもありません。画面をちらっと見て、「すみません、この電話に出ないと」と言って席を外すだけ。割り込みは完全に外から来たものに見えます。言葉で抜けようとすると引き止められそうな場面でうまくいくのは、まさにそのためです。
Introscape(私たちが作っているアプリなので、中立的な評価ではなく前提情報として読んでください)は、まさにこのために作られています。AppleのCallKitを使っているので、着信はロック画面で鳴り、本物とまったく同じに見えます。会議でいちばん役立つのは予約です。会議室に入る前に、抜けたい時刻の数分後に着信が来るよう、最大24時間先まで予約して、スマホはしまっておきましょう。その時が来れば予定どおりに鳴り、退出はまったく予定外のものに見えます。「部長」や「病院」のようなもっともらしい発信者を設定しておけば、あなたがひと言も話さなくても説得力が出ます。スマホがロックされてポケットに入ったままでも着信は鳴りますし、会議の予定がずれたら、Apple Watchやウィジェットから今すぐ着信を鳴らすこともできます。本番の前に、フェイク着信の台本ジェネレーターで、着信の流れ全体を確認しておけます。
たまに使うだけなら、ひそかな切り札であり続けます。いつも頼っていると、周りはそのパターンに気づきます。フェイク着信は抑止と非常口のためのもので、警察(110番)や救急(119番)の代わりには決してなりません。まず身につけておきたい言葉での抜け方は、この記事とリンク先の記事でひととおり押さえられます。
出典・参考資料
- Harvard Gazette:会話は人が望むタイミングでは終わらないという研究結果(英語):両方が望んだタイミングでぴったり終わる会話は約2%しかないことを示した研究の紹介記事です。
- Harvard Business Review:会議の正しい終わらせ方(英語):会議ややりとりを、意図的に、すっきりと締めくくるためのテクニックです。
- The Muse:失礼にならずに終わらない会話から抜け出す21の方法(英語):電話、会議、交流会、職場での雑談から丁寧に抜けるためのフレーズ集です。
- Upworthy:退屈な会話から抜け出すための覚えやすい「SAT法」をセラピストが紹介(英語):相手に大切にされていると感じてもらいながら会話を終える、Sandwich-and-Thankのテクニックです。
この記事のポイント
- 両方が望んだタイミングで終わる会話は約2%しかありません。長引く会議は調整の失敗であって、あなたのせいではありません。
- いちばんすっきり途中で抜ける方法は、前もって伝え、終了時間を決め、話題が切り替わるタイミングで長い説明をせずに退出することです。
- 時間をブロックしたり、価値の低い会議を断ったりして、カレンダーを先回りして守るほうが、その場で逃げ出すより効果的です。
- 言葉で抜けられないときは、さりげないフェイク着信がすっきりした最後の手段になります。使うのはここぞというときだけにしましょう。