電話恐怖症(テレフォビア)とは?電話が怖いときの11の対処法
なぜ電話はこんなに難しく感じるのでしょうか。電話恐怖症(テレフォビア)のサイン、その理由、電話をラクにする11の実践的な方法を、寄り添いながら解説します。
B執筆:Baptiste Garcia
このページの内容
結論
電話恐怖症(テレフォビア)とは、電話をかけたり受けたりすることに強い苦手意識を感じる、実際によくある状態です。その場ですぐに答えなければならないプレッシャー、表情やしぐさが見えないこと、どう思われるかという不安が原因になることが多くあります。性格の欠点ではなく、小さな練習を重ねればたいていラクになっていきます。特に効果的なのは、短い台本を用意する、気軽な電話から始める、呼吸をゆっくりにする、自分で完全にコントロールできる電話で練習することです。電話が鳴ると胃がきゅっとなる。LINEで返したくて、わざと電話を留守電に回したことがある。そんな経験があるなら、あなたはまったくひとりではありません。電話が怖いという気持ちは、日常でとてもよくある不安のひとつで、「電話恐怖症(テレフォビア)」という名前もついています。いい知らせは、練習でよくなりやすいということです。この記事は情報提供を目的としたもので、医学的なアドバイスではありません。でも、ここで紹介するテクニックはシンプルで実践的で、セラピストも、電話が得意な人も使っているものです。
電話恐怖症(テレフォビア)とは?
電話恐怖症はテレフォビアとも呼ばれ、電話をかけたり受けたりすることに対して、不安や恐れが続く状態のことです。人によっては、メッセージのほうが好きで、電話が鳴るとちょっとドキッとする程度の軽いものです。一方で、動悸がしたり、手に汗をかいたり、大事な電話でさえまったく出られなくなったりするほど強い人もいます。社交不安と重なることも多いのですが、診断を受けていなくても、電話がつらいと感じることはあります。
電話恐怖症は、「人付き合いが下手」ということではありません。あたたかくて話し上手な人でも、電話になると固まってしまうことはよくあります。電話は、対面の会話を安心できるものにしている要素をはぎ取ってしまい、脳がそれに気づくのです。
電話がこれほどストレスに感じるのはなぜ?
電話がメッセージや対面での会話より難しく感じる理由を知っておくと、気持ちがラクになります。大きな理由は3つあります。
- 表情やしぐさが見えない。電話では、表情、うなずき、身ぶりが伝わりません。これは、私たちがお互いを読み取る手がかりの約半分です。手がかりがないまま、相手が退屈しているのか、イライラしているのか、ただ考えているだけなのかを推測するしかありません。
- その場で答えるプレッシャー。メッセージと違って、電話には編集ボタンも、考えをまとめるための間もありません。沈黙がやけに大きく感じられ、すぐに返事をしなければならないので、頭が真っ白になることもあります。
- どう思われるかという不安。相手の姿が見えないので、自分の声、言葉に詰まったところ、「えーと」をジャッジされていると想像しやすくなります。見えない聞き手は、実際の相手よりもずっと厳しく感じられるものです。
つまり電話とは、ふだんの半分の情報しかない状態で、表情の読めない相手の前でライブで演じるようなものです。大変に感じるのも無理はありません。
電話恐怖症かもしれないサインは?
電話恐怖症の現れ方は人それぞれですが、よくあるパターンがあります。いくつか当てはまるものがあるかもしれません。
- 話すことを何度も練習したのに、番号を押すときにはやっぱりパニックになる。
- 電話のほうが早くても、メッセージやメールを強く選んでしまう。
- 電話が鳴っても出ずに、あとでかけ直す。あるいは、かけ直さない。
- 動悸、口の渇き、手の震えなど、体にも症状が出る。
- 電話のあとで何度も思い返し、誰も気にしていない小さなことに落ち込む。
いくつも心当たりがあるなら、自分の状態をもう少しはっきりさせてみるのもいいでしょう。手軽な電話恐怖症セルフチェックなら、短い質問に答えるだけで、「ちょっと電話が苦手」から「専門家に相談してもいいレベル」まで、自分がどのあたりにいるのかの目安がわかります。自分を知るためのスタート地点であって、医学的な診断ではありません。
電話をラクにする11の方法
電話を好きになる必要はありません。慣れることはできます。慣れは、繰り返しと、いくつかのいい習慣から生まれます。本当に役立つ11の方法を、だいたい使う順番に紹介します。これを具体的な電話のステップに落とし込んだ段階的なプランは、電話恐怖症を克服する方法のガイドで紹介しています。
1. 短い台本を用意する
電話をかける前に、最初のひと言と、伝えたい要点を書き出しておきましょう。一言一句そのとおりに話すことはまずありませんが、出だしのセリフ(「お世話になっております、山田です。◯◯の件でお電話しました」)があるだけで、いちばん怖い瞬間、つまり話し始めを乗り越えられます。手早く準備したいなら、フェイク着信の台本ジェネレーターで、自然な出だしと、アレンジして使えるいくつかの流れを作れます。
2. ゴールをひとつだけ決める
予約を取る、質問をひとつする、時間を確認するなど、手に入れたい結果をひとつだけ決めましょう。目的がひとつの電話は、ゴールのない「おしゃべり」よりずっと気がラクで、どこで終わればいいかもはっきりわかります。
3. 始める前にゆっくり息を吐く
不安になると呼吸が速くなり、それがさらにパニックをあおります。これを逆にしましょう。4つ数えながら吸って、6つ数えながらゆっくり吐きます。かける前に何度か長く息を吐くと、神経系に「安全だ」という合図が送られ、声も落ち着きます。
4. 気軽な電話から始める
いちばん難しい電話から始めるのはやめましょう。失敗しても困らない電話で勢いをつけるのがコツです。お店の営業時間を確認する、出前を頼む、話しやすい友達に電話する、といったものです。小さな成功を重ねるたびに、次の電話へのハードルが下がっていきます。
5. 自分でコントロールできるフェイク着信で練習する
いちばん役立つことのひとつは、言葉だけでなく、電話という体験そのものを練習することです。フェイク着信なら、自分のスマホにリアルな着信画面が表示されて鳴りますが、電話の向こうには実際には誰もいません。だから、電話に出る、話す、切るところまで、リスクゼロで練習できます。フェイク着信が初めてなら、フェイク着信とは何かの詳しい解説もどうぞ。Introscapeのようなアプリなら、iPhoneで見た目も音も完全に本物そっくりの着信を鳴らせるので、不安のきっかけになる部分、つまり着信音そのものに少しずつ慣れていけます。
今すぐその感覚を試してみたいなら、ブラウザで試せるフェイク着信デモで、何もインストールせずにリアルな着信を体験できます。
6. 電話はまとめてかける
一日中ある電話のことを気にしているほうが、電話そのものよりつらいものです。電話をひとつの時間帯にまとめ、いちばん簡単なものでウォーミングアップして、「ノッている」うちに一気に片づけましょう。勢いが、気持ちの負担の多くを引き受けてくれます。
7. 立つ、または歩く
姿勢は、気持ちにも声にも影響します。立ったり歩き回ったりすると、胸が開き、呼吸が安定し、緊張のエネルギーも発散できます。立って話すと声が落ち着き、はっきり聞こえるようになると感じる人はたくさんいます。
8. 笑顔で話す
ばかばかしく聞こえるかもしれませんが、笑顔は本当に声の印象をやわらかくします。相手にもそれが伝わります。笑顔は自分の気分もリラックスした方向に向けてくれるので、電話が脅威に感じにくくなります。
9. 完璧じゃなくていいと受け入れる
言葉に詰まることもあるし、「えーと」と言うこともあります。それは誰でも同じで、電話が得意な人も例外ではありません。そして、聞いている側はすぐに忘れてしまいます。「完璧」ではなく「人間らしく、これで十分」を目指すだけで、プレッシャーはぐっと軽くなります。
10. 優しく振り返る
電話のあと、失敗をひとつずつ思い返したくなる気持ちはこらえましょう。公平な質問をひとつだけしてみてください。必要なことは手に入った? 答えがイエスなら、その電話は成功です。難しいことをやり遂げたばかりの友達に接するように、反省会ではなく、励ましの言葉を自分にかけてあげましょう。
11. 少しずつ慣らしていく
長い目で見ていちばん効果的なのは、無理のない範囲で、繰り返し電話に触れることです。少しずつ難しい電話に挑戦していきましょう。今日は短い電話、来週は少し長い電話、その次は少し大事な電話、という具合です。避け続けると、脳は「電話は危険だ」と学習してしまいます。繰り返すと、「電話は危険ではない」と学習します。実際にかけた電話の一つひとつが、「大丈夫だった」という小さな学びになります。
電話恐怖症で専門家に相談すべきなのはどんなとき?
電話恐怖症の多くは、練習で軽くなっていきます。でも、それが仕事、人間関係、心身の健康に影響しているなら、たとえば大事な電話を避けている、チャンスを逃している、つらい気持ちが続いている、といった場合は、専門家に相談する価値があります。電話恐怖症には認知行動療法(CBT)がよく効くことが多く、恐怖の裏にある不安な考えに気づき、計画的に少しずつ慣らしていくことで、耐性をつけていく手助けをしてくれます。
念のためはっきりお伝えしておくと、この記事は情報提供を目的としたもので、医学的なアドバイスの代わりにはなりません。不安が生活に大きく影響しているなら、心療内科や精神科の医師、カウンセラーなどの専門家が、あなたに合ったサポートをしてくれます。助けを求めるのは、弱さではなく強さの表れです。
まとめ
電話恐怖症はよくあることで、無理もないことで、そして十分によくなるものです。電話が難しく感じるのは、ふだんの手がかりがなくなり、ライブでの対応を求められるからです。でも、自分でコントロールできる小さな電話を一つひとつ重ねるたびに、恐怖は少しずつ削られていきます。少し準備して、ゆっくり息を吐き、簡単な電話から始めて、あとは繰り返しが静かに効いてくるのを待ちましょう。一夜にして電話好きになる必要はありません。次の電話を、前の電話より少しだけ怖くないものにすればいいのです。
出典・参考資料
- BBC Science Focus:心理学に基づく、電話恐怖症を克服するシンプルな方法(英語):電話が不安を引き起こす理由と、ごく短い電話から慣らしていくなど、根拠に基づいたテクニックを紹介しています。
- NHS:Phobias: Treatment:イギリスの国民保健サービス(NHS)による、認知行動療法やカウンセリングなど恐怖症の治療についての公式情報(英語)です。
- Healthline:社交不安のための認知行動療法(CBT)の仕組み(英語):社交不安に対する認知行動療法と段階的な曝露について、医療監修のもとで解説した記事です。
この記事のポイント
- 電話恐怖症(テレフォビア)はよくあることで、性格の欠点ではありません。練習でよくなりやすいものです。
- 電話が難しく感じるのは、表情やしぐさが見えず、その場での返事を求められ、どう思われるかという不安が生まれやすいからです。
- 短い台本、ひとつのゴール、ゆっくり吐く呼吸、気軽な電話、少しずつ慣らすことなど、小さな習慣が役に立ちます。
- 自分でコントロールできるリアルなフェイク着信で練習すれば、リスクなしで着信音に慣れていけます。